【私の視点】耳石が浮遊するって、どういうこと? ~三田市|西宮市|神戸市の整体・整骨・鍼灸~
当院では「めまい」に苦しむ患者さんがいらっしゃっています。
「めまい患者が来たら、医者がめまいする」と言われるように、めまいはなかなか病態がつかみにくいものです。
水平眼振は内耳で、垂直眼振は中枢神経、、、。でも、そんな簡単ではありません。ここには回転も加わります。
ですから、眼振だけからでは判断は難しいのです。
めまいと思っていたら、実はいわゆる失神(眼前暗黒感)だったという例もあります。この場合はTIAを疑います。
さらに、前庭神経核にはさまざまな感覚からの入力を受けるため、いろんな刺激によりめまいは生じます。
過敏になった前庭神経には抑制が効いていません。抑制系の調整が必要であり、こうなると前庭神経だけ、つまり耳だけの問題ではなくなります。
ですから、耳だけとか、中枢だけとか、そんな簡単ではないのです。
もちろん、固有受容覚からの入力、特に首にある受容器からの入力はかなりの情報量となるため、首や肩がこったり、ストレートネックになったりすると、めまいを起こしやすくなります。
BPPVと言われる良性発作性頭位めまい症とは
体操で治ると言われるめまがあります。
それが、良性発作性頭位めまい症です。Benign Paroxysmal Positional Vertigoで、長いので略してBPPVと言います。
これは前庭にある耳石が何らかの原因で半規管に落ち込んでしまい、半規管内を浮遊するのが病態です。
耳石(カルシウムの結晶)が半規管内を浮遊するのは、イメージとしてはスノードームのきらきらと似ています。
耳石が半規管内を浮遊すると、そこを満たしているリンパ液も動くので、前庭神経は「回転している!」という信号を送ります。
するとそれを受け取った動眼神経は回転とは反対方向への動きを起こします。
これが回転性めまいです。
じっとしていると、耳石も動かなくなるので、めまいの原因となる前庭動眼反射は止まります。
BPPVの実際
BPPVは実際、起床時に起こりやすいと言われています。
それは上向きで寝る姿勢により、耳石が落ちやすいからです。
特に低い枕で寝ていると、耳石が後方に落ちるのです。
落ちやすいのは後半規管です。
ですから、仰向けで寝るときは、できるだけ頭位を高くして寝るほうが良いとされています。
そして動く時はゆっくり動くこと。
早い動きでは、耳石が動いてしまい、また目がまわります。
この良性発作性頭位めまい症は、良性だけにじっとしていると1分から数分で収まります。
そして、いつしか耳石が前庭へとおさまるので、回転性のめまいは起こらなくなります。
耳石が浮遊するのはなぜ?
ただ耳石が浮遊するから「良性発作性頭位めまい症」ですといっただけでは、なぜ起こるのかの原因の説明にはなっていません。
実際は諸説あり、カルシウム説、脱水説、炎症説などさまざまあります。
めまいの分析だけしているのでは、なかなか分かりません。
患者さんの年齢、性別はもちろんです。
それ以外にホルモン状態、血液成分、食事などさまざまな面から問診しないと、本当のところは分かりません。
それに、首の骨も非常に重要です。硬くて可動性が低く、ROMも制限されているような首では、なかなか治りが悪いでしょう。
またライフスタイル。睡眠不足やPCの仕事など、めまいが引き起こされる誘引となるライフスタイルだと、治りも悪くなります。
当院のアプローチ法
当院には「治りにくいBPPV」の患者さんが来られます。
先に病院へ行かれます。
そしてある程度治療しても、治りきらないので困って受診されます。
そこで、耳だけを見るのではなく、上記に書いた通り「なぜ耳石が浮遊したのか」を考えて、原因を探ります。
そこにはめまいの検査、触診、動診、問診などさまざまな視点から見ていきます。
そして得られた情報を総合的に分析して、原因を除去していきます。
治療は首のズレの矯正、こりの解消、自律神経の調整、前庭神経の抑制リハビリなど、その方に合ったものを提供します。
もし、なかなか取れないめまいでお困りでしたら、一度ご相談ください。
メールでのご相談
ご自身の症状について疑問があればメールを使ってご質問ください。メールでは、どんなセルフケアをしたほうがいいかなど、具体的な内容には答えられませんので、ご了承ください。
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