第5回|甲状腺が落ちると、なぜ痩せないのか ~神戸市北区の機能性医学で健康にダイエット~

第5回|甲状腺が落ちると、なぜ痩せないのか
「食事は増えていないのに体重が増えた。」
「むくみやすくなった。」
「寒がりになり、疲れやすい。」
こうした変化があるのに、血液検査では「様子を見ましょう」と言われるケースがあります。
痩せにくさの背景にあるのが、甲状腺ホルモンの働きの低下です。
今回も軸は同じです。
健康になれば、勝手に痩せる。
そして甲状腺は、その“代謝のアクセル”です。
甲状腺ホルモンは代謝のエンジン
甲状腺ホルモン(T4・T3)は、細胞のエネルギー産生を高めるホルモンです。
ミトコンドリアの働きを促進し、酸素消費量を増やします。
この作用によって基礎代謝が保たれています。
甲状腺機能が低下すると、安静時エネルギー消費量が低下することが知られています。
Müllerら(J Clin Endocrinol Metab, 2000)は、甲状腺機能低下症で安静時代謝率が低下することを報告しています。
つまり、食事量が同じでも“燃えにくい身体”になります。
潜在性甲状腺機能低下症でも影響はあるのか
TSHがやや高いだけでT4が正常な状態を「潜在性甲状腺機能低下症」と呼びます。
この段階では症状が軽度なこともあります。
しかしBiondi & Cooper(Lancet, 2008)は、潜在性であっても脂質代謝や心血管リスクに影響する可能性を指摘しています。
軽度でも代謝効率が変化する可能性は否定できません。
「基準値内だから問題ない」と単純には言えません。
甲状腺と体重増加の関連
Reinehr(Horm Res Paediatr, 2010)は、甲状腺機能低下が体重増加や脂質異常と関連することを報告しています。
ただし注意すべきは、甲状腺低下がすべての肥満原因ではないという点です。
甲状腺が主因の体重増加は、むくみ成分も含まれる場合があります。
それでも代謝が落ちることで、脂肪燃焼効率は確実に低下します。
なぜ女性に多いのか
甲状腺疾患は女性に多いことが知られています。
エストロゲンの変化や自己免疫との関連が示唆されています。
特に更年期以降はホルモンバランスの変化が代謝に影響します。
女性ホルモンと甲状腺は相互に影響し合います。
単純なカロリー計算では説明できない理由がここにあります。
こんな症状はありませんか
・寒がりになった
・朝がつらい
・抜け毛が増えた
・便秘気味
・むくみやすい
・コレステロールが高い
これらが複数当てはまる場合、代謝アクセルが弱まっている可能性があります。
ダイエットより先に整えるべきこと
甲状腺が十分に働いていない状態で、過度な糖質制限や断食を行うと、さらにストレス負荷がかかります。
代謝はさらに落ちる可能性があります。
大切なのは、甲状腺ホルモンそのものだけではありません。
肝臓でのT4→T3変換、鉄や亜鉛などの栄養状態、慢性炎症の有無なども関わります。
つまり、ホルモン単体ではなく全体を診る必要があります。
健康が整うと何が起こるか
代謝が回復すると、体温が上がり、エネルギーが出やすくなります。
インスリン感受性も改善しやすくなります。
結果として、脂肪が自然に動き始めます。
無理に減らすのではなく、正常化するのです。
当院の視点
当院ではTSHだけで判断しません。
症状、脂質、鉄代謝、ストレス、腸内環境を総合的に評価します。
AFMC取得院長が、代謝のどこにブレーキがかかっているかを特定します。
神戸市北区・三田市から来院される方の中にも、「甲状腺を整えたら自然に体型が変わった」ケースがあります。
結論
甲状腺は代謝のアクセルです。
アクセルが弱い状態では、どんなダイエットも効率が落ちます。
努力不足ではありません。
身体が守りに入っているだけです。
健康になれば、勝手に痩せる。
次回は、女性ホルモンと痩せにくさの関係を解説します。
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