【研究論文】膝の痛みは脳が覚えている記憶

膝の痛みは脳の記憶

“痛みの記憶”をリセットする──脳と膝の関係

──“膝が悪い”のではなく、“脳が痛みをやめられなくなっている”だけ。

「もう治らないと言われた」
「軟骨がすり減ってるから仕方ない」
「手術後も痛みが残っている」

──こういう方、当院にも少なくありません。

でも、ハッキリ言います。

“壊れている”から痛いのではありません。

多くの場合、“脳が痛みを出す回路を止められなくなっている”のです。


痛みは“壊れた部品”ではなく、“脳のプログラム”の問題

最新の神経科学では、痛みは「信号」であり、「感情」であり、「学習現象」でもあります。

つまり、脳が「危険」と判断したときに出す反応なのです。

アメリカ・ハーバード大学の研究(Baliki et al., Nature Neuroscience, 2012)では、慢性的な痛みを持つ人の脳をMRIで観察すると、痛みを処理する部分(島皮質・前帯状皮質)だけでなく、「感情」「記憶」「注意」に関係する領域までが過剰に活動していることが分かりました。

炎症やケガが治っても、脳が痛みを“再生産”してしまうのです。

ドイツのKuner & Flor(Neuron, 2018)の研究では、痛みが長引くほど神経ネットワークが再構築され、“痛みの記憶回路”が固定化されることが示されました。

つまり、慢性痛とは「壊れた関節の問題」ではなく、「脳の可塑性(plasticity)」が誤った方向に働いた結果なのです。


「脳が痛みを覚えている」──それが中枢性感作

膝の炎症が長く続くと、痛みの信号が脊髄から脳へ繰り返し送られます。

すると、脳はその刺激に慣れ、痛みを出す神経が“過敏スイッチ”状態になります。

これを「中枢性感作(Central Sensitization)」と呼びます。

デンマークのArendt-Nielsenら(Pain, 2019)は、膝OA患者を対象に、軽い圧刺激でも痛みを感じやすい「感作反応」を確認。

しかも、この過敏化は“膝だけでなく全身”に広がっていることがわかりました。

要するに──膝だけの問題ではなく、脳全体が「痛みに過敏」になっているのです。

これを放置すれば、鎮痛剤も効かなくなります。

なぜなら「脳が自ら痛みを作り出している」からです。


「痛みを治す」のではなく、「痛みを止める脳に戻す」

もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)では、この“痛みの記憶”をリセットするために、神経・感覚・代謝の3方向からアプローチします。


鍼灸で「痛みのスイッチ」を切る

鍼は単なる筋肉の刺激ではありません。

神経レベルで「痛みの信号の通り道」を調整します。

Zhaoら(Frontiers in Neuroscience, 2022)の研究では、鍼灸刺激が脳内の痛覚ネットワークを鎮静化し、前頭葉の抑制系を再活性化することが報告されています。

つまり、鍼灸は「脳に痛みをやめる許可を出させる」治療なのです。

臨床的にも、慢性膝痛の方で「刺してもいない場所の痛みが抜ける」現象はよくあります。

それは、脳が再び“安全モード”に戻った証拠です。


整体で「脳が安心する動き」を再教育

痛みの回路は「動きの恐怖」とセットになっています。

人は“痛そうな動き”を予測した瞬間に、脳が筋肉を固めます。

当院では、股関節・骨盤・足首の連動を整え、「動いても怖くない」体験を少しずつ積み重ねます。

これは単なる運動療法ではありません。

脳に「この動きは安全だ」と再学習させるプロセスです。

リハビリ神経科学の分野では「エクスポージャー・ムーブメント(Exposure Movement)」と呼ばれ、恐怖記憶の上書きに有効とされています(Moseley & Vlaeyen, Pain, 2015)。


機能性医学で「神経の土台」を修復する

脳と神経の興奮を鎮めるには、栄養の支えが不可欠です。

オメガ3脂肪酸、マグネシウム、ビタミンB群、GABA、プロバイオティクスなどは、神経伝達を安定させ、炎症性サイトカインを抑えることが知られています。

腸内環境を整えることも、脳炎症(neuroinflammation)の改善に直結します。

体内の炎症と脳の過敏は“連動している”──これが機能性医学の根本原則です。


「痛み」はあなたの敵ではない

多くの人が「痛み=悪」と思い込んでいます。

でも、痛みとは「危険を教えてくれる脳のアラーム」。

問題は、そのアラームが鳴りっぱなしになっていること。

私たちが目指すのは、「壊れた部品を修理する」ことではなく、「過剰に反応する脳を落ち着かせる」ことです。

それができた瞬間、体は動きを取り戻し、“痛みの記憶”は自然に消えていきます。


「もう治らない」と言われた人こそ、脳から治る

軟骨が減っていても、変形があっても、「痛みがない人」は山ほどいます。

違いは“構造”ではなく、“脳の状態”です。

だからこそ、
「何年も治らなかった膝痛が軽くなった」
「手術を回避できた」
そんなケースが実際に起こるのです。

諦めるのはまだ早い。

脳は、いくつになっても書き換えられる臓器です。

あなたの痛みも、脳が“もう必要ない”と判断すれば、消えていきます。

📍 もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)
機能性医学 × 鍼灸 × 整体による原因追究型アプローチ。
“壊れている”と諦めていた膝を、脳・神経・代謝の再教育で取り戻す。



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