【研究論文】膝痛のための筋トレ、余計に悪化させていますよ!

膝の筋トレ? それ間違っていませんか?

膝を守る筋肉“ハムストリングスと殿筋”の再教育

── 鍛えるより、“使い方”を思い出すことが大切です。

「筋肉が落ちたから膝が痛い」

そう言われたことはありませんか?

確かに、筋力は膝を支える大切な要素です。

しかし、実際の現場では、「筋肉がないから痛い」よりも「筋肉が働いていないから痛い」というケースが圧倒的に多いのです。

特に、膝を守る上で欠かせないのが「ハムストリングス(太ももの裏)」と「殿筋(お尻)」です。

これらは、膝を直接動かすよりも“膝を守るブレーキ”の役割を果たしています。

この2つが眠ってしまうと、膝は常に前方へ引っ張られ、関節に過剰なストレスがかかります。


研究で明らかになった「膝を守る筋肉の役割」

オーストラリア・メルボルン大学の研究(Bennell et al., Arthritis Care & Research, 2013)では、変形性膝関節症(OA)患者を調べたところ、中殿筋と大殿筋の筋力低下が痛みの強さと進行度に強く関連していました。

股関節まわりの筋肉が弱くなると、膝が内側へ倒れ込む(ニーイン)動きが増え、膝内側の軟骨や半月板に負担が集中するのです。

また、アメリカの研究(Schmitz et al., Clinical Biomechanics, 2018)では、ハムストリングスの反応速度が遅い人ほど、膝への衝撃が強く、軟骨損傷のリスクが高いことが報告されました。

つまり「ハムストリングスが反応しない=膝のクッションが働かない」ということ。

筋肉の“強さ”よりも、“タイミング”が重要なのです。

さらに、Thorstenssonら(2007, Arthritis & Rheumatism)は、股関節と膝を協調して動かせる人ほど、変形性膝関節症の進行が遅いことを発見しました。

単に筋トレで筋肉をつけても、使い方を間違えたままでは膝を守る動きにはならない。

この研究が示しているのは、「動作の質=膝の寿命」という真実です。


「前ばかり使う」現代人の体のクセ

日常生活では、前側の筋肉(大腿四頭筋)を多く使う動きが圧倒的に多く、後ろ側(ハムストリングス・殿筋)はほとんど使われていません。

デスクワークや長時間の座位が続くと、骨盤が後傾してお尻の筋肉が眠り、“太ももの前で立つ・歩く”クセがついてしまいます。

この状態では、膝の皿(膝蓋骨)が常に引き上げられ、膝関節の圧縮ストレスが増加します。

特に階段の昇降や坂道で「ズキッ」と痛む方は、この“前使い型”の典型です。

歩行分析の研究でも、膝痛患者ではハムストリングスと殿筋の筋活動が平均で30〜40%低下していると報告されています(Barrios et al., Gait & Posture, 2010)。

つまり、膝痛の多くは「膝の問題」ではなく「お尻と太もも裏がサボっている問題」なのです。


鍛えるより、“思い出させる”

筋トレで太ももを鍛えることは悪くありません。

ただし、間違ったフォームで行うと、膝をさらに痛めることもあります。

大切なのは、“鍛える”よりも“正しく使えるように思い出させる”こと。

これを私たちは「筋肉の再教育(neuromuscular re-education)」と呼びます。

神経と筋肉のつながりを回復させ、脳が「ここを使って歩こう」と思い出す。

これができると、膝は自然と軽くなります。

2019年の研究(Zhou et al., Frontiers in Neurology)では、神経再教育プログラムを行った膝OA患者で、痛みスコアと歩行速度が有意に改善したと報告されています。

単なる筋トレよりも、脳神経を介した“使い方の再構築”のほうが効果的なのです。


当院のアプローチ:「眠っている筋肉を起こす」

もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)では、膝を治すとき、まず「膝以外」を整えることから始めます。

🧭 整体で動作の“連鎖”を回復

骨盤・股関節・足首の連動を整え、お尻と太もも裏が自然に働く姿勢を取り戻します。

立ち上がり方・歩き方・階段の上り下りを分析し、“膝が頑張らなくても動ける体”を作ります。

🪡 鍼灸で筋反射と神経伝達をリセット

鍼刺激は筋紡錘や腱反射を活性化し、「眠っている筋肉」を再び働かせるスイッチになります。

Zhaoら(2022, Front Neurosci)の研究では、鍼灸が脳内の運動ネットワークを再構築し、神経-筋の連携を改善することが確認されています。

🥗 機能性医学で筋肉が働く“代謝の土台”を整える

筋肉はエネルギーがなければ動けません。

タンパク質・ビタミンD・マグネシウム・オメガ3脂肪酸など、炎症を抑えつつ筋代謝を支える栄養素を最適化します。

筋肉の質を変えることが、結果的に「膝を守る力」につながるのです。


「膝を治す」から、「膝を守る」へ

膝痛を治す本当の目的は、「痛みを消すこと」ではありません。

それは一時的な対処にすぎません。

本当に目指すべきは、“膝を守れる体”を取り戻すことです。

ハムストリングスと殿筋は、あなたの体に備わった“天然のサポーター”です。

この2つが目覚めれば、膝は自らを守る力を取り戻します。

鍛えるよりも、“使い方を思い出す”こと。

それが、痛みのない未来への最短ルートです。

📍 もみの木鍼灸整骨院(神戸市北区・三田市・西宮市)
機能性医学 × 鍼灸 × 整体による、根本原因からの膝治療。
「手術しかない」と言われた方の再生事例も多数。



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