【私の視点】なぜ論文の研究結果は矛盾するのか? 頸椎カーブ、ストレートネック編 ~三田市|西宮市|神戸市の整体・整骨・鍼灸~

なぜ論文結果は矛盾するのか?

 私の趣味の中で「論文を読む」というものがあります。自分の仕事に直結するので、趣味と実益を兼ねているのですが、読んでいて???となるものも少なくないです。

論文の研究結果は矛盾する!

 たとえば、この論文です。

Twenty-year Longitudinal Follow-up MRI Study of Asymptomatic Volunteers: The Impact of Cervical Alignment on Disk Degeneration https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30102637/

MRIの画像から頸椎のカーブが頸椎椎間板への悪影響があるのかどうかを20年にわたって横断研究した論文です。

 20年!!!

 これは有益な論文になっていそうです! ということで、目を通しました。

 一応、研究に参加した方々をみると、医師の方々がほとんどです。全員調べたわけではありませんが、途中まで検索して全員医師でしたので、おそらく全員医師だろうと思い、検索するのを辞めました。


歪みなんて関係ない?

 さて、頸椎は本来軽く「前弯」しているものです。それがストレートになったり、リバースカーブ(後弯)になったりすると、首由来のさまざまな愁訴が出てくると常識ではなっています。

ストレートネック

 ストレートネックやリバースカーブで障害が多く、その頸椎のカーブを改善すると症状が消えたという論文は多数存在します。

 ところが、この論文の結果は、、、。

 頸椎のカーブは椎間板への悪影響がほとんどない!です。

 え???

 そうなの???

 となりませんか? 特に、これを読んでいる同業者の方々はそう思うでしょう。言われている常識と矛盾する!と。

 だって、「頸椎は前弯が大切だ!」と教わって、それに従って施術して、、、。また、ニュージーランドの伝説フィジオセラピスト、ロビンマッケンジー先生が開発した、ネックロールは仰臥位で首の下に入れる巻きずしみたいな枕ですからね。もちろん、前腕を寝ている間に作るためです。

 椎間板への影響だけに限定ですが、C7/T1の椎間板変性だけは前弯がない人は有意に悪化していたとのことです。それ以外の部位では「頸椎のカーブと椎間板の悪化」には相関関係がなかったらしいのです。

 さぁ、みなさんはこれをどう読みますか?

 だって、整形外科で首のレントゲンを撮影して「うむ、ストレートネックだねぇ」と、さもストレートネックが悪いかのように整形外科医に言われた患者さんは、当院にもたくさんいらっしゃいます。

 でも、論文ではそれは関係ない!と言われている。椎間板の狭小化や後方突出などの基準で判断した論文ではありますが、、、。

 医師主導で行われた研究ですので、「歪みなど関係ない!」と言われているような気がします。我々徒手療法家は基本的には「歪みを正しましょう」と言って施術をしますので、「歪みは関係ない」と言われると、徒手療法家は否定されているような気分になります。


骨だけで説明できるわけがない!我々みな有機体だ!

 この「歪みは関係ない」というような結論には欠けている視点があります。

 というのも、人間は骨の形だけで疼痛をはじめとした症状の説明はできないからです。おそらく疼痛の説明が骨の形からできるのは、骨折と脱臼くらいなものです。ここから発展したのが整形外科学ですから、骨の形を重視するのは無理もありません。

 今は神経系、内臓系の影響で疼痛などの症状が出ることは、常に勉強をしている徒手療法家には分かっています。

 ですから、首の形だけで判断する徒手療法家は少ないのではないでしょうか。

 そして、次に個体差を無視しているということです。この研究は「頸椎の形は前弯であるべき」という思いこみから始まっています。

 でも、臨床でいろんな人の骨の形や軟部組織の柔軟性をみさせてもらっている徒手療法家にとっては、骨の形だけでは症状の説明ができないことが往々にしてあります。

「首の前弯がなくても首が痛くない」
「首の前弯が消失しているから首が痛い」
「首の前弯があっても首が痛い」

 これらはすべて正解です。運動器だけをとっても、椎間板の軟骨の強度が人によって違います。おそらくMRIを撮った姿勢は寝ている状態でしょう。そうなると起き上がっている時と首のカーブが変っても不思議ではありません。胸椎との関連性を考えないといけませんし、少なくとも立位もしくは座位でのMRIの撮影が必要です。

 さらに、多くは骨以外の要素が関わっているのです。

 私たちの体は骨、内臓、神経その他がすべてつながっています。切り離して治療(手術、投薬、リハビリ)をしたところで、うまくいかないのです。

 今の病院は〇〇科という風に分かれていて、人の身体を切り離して考える傾向にあります。しかし、本当はつなげて考えることで、もっと効率的な医療を提供できることになるはずなのです。

我々みな有機体!


こういった研究に感謝!

 ただ、これは矛盾する論文の批判ではありません。むしろ、感謝すべきです。

 というのも、このような論文が出てこないと、本当の人間への理解へ近づいていけないからです。

 このような論文があるからこそ、骨以外の要素へと目を向ける医師や治療家が増えていくのです。喜ばしいことです。

 そして、やはり「ひとり一人は違う! マニュアルに当てはめては考えることができない!」という考えのもと、医療の発展を促すのです。

 1日にたくさんの患者さんが通院する医療機関では、こういったマスメディカルで、患者さんを型にはめて考えないと、多くの患者さんに対応することができません。

 でも、それではダメなのです。近年、徒手療法家、医師などはどんどん増えてきています。数が増えるなら、患者さん一人ひとりにかける時間も増やすことができます。自分の懐具合ばかり気にしないで、少しは目の前の患者さんへ目が向く時代になるでしょう。

 マニュアルで大量に患者さんをさばくと、必ず治らない、マニュアルからあぶれてしまう患者さんが出てきます。

 当院はこういったマニュアルからあぶれてしまった、健康保険では救えない方の砦となっています。

 ですから、もっと自分の目でこういった論文に目を通して、今の治療法を支える基礎知識を身に付けていかなければいけないなと思います。

 知力が医療業界を変える!

 本当にそう思います。



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