【症例報告】指のしびれ（正中神経障害・手根管症候群）　Nさん　～三田市|西宮市|神戸市の整体・整骨・鍼灸～

　薬指のしびれを訴えて来られた。痛みはほとんどない。朝と夜にひどくなるような気がする。以前に整形外科を受診したがレントゲン診断で何ともないと言われて湿布を処方された。

　パソコンの作業が多くなるとしびれてくる。姿勢による神経根か、胸郭出口か、正中神経か、、、。

　TOSの検査を一通りやるも、陰性反応である。

　薬指の麻痺は、C8神経根、正中神経障害、尺骨神経障害、その他のニューロパチーなどを考慮に入れて検査を進める。

　まず、ring-finger-splittingがあった。尺側－、橈側＋。よって、尺骨神経麻痺は除外された。

　次に、中指、示指の触覚検査をしたが、中指は何か感触が変だが、示指に関してはしびれている感覚があまりない。

　手の甲側、第2～4指のPIPより近位と遠位で比べても、はっきりしない。前腕部に至っては、正常だと言う。ここでC8神経根の可能性は排除する。もちろんC6/7も排除できる。

　ファーレンテスト－、チネル徴候－。もともとこの両者は感度特異度で報告にバラつきがある検査なので、あまり気にしない。

　短母指外転筋筋力検査は健側より患側が若干弱い。母指球萎縮はない。

　こういった非定型的な正中神経障害も臨床にいる意外に多く存在する。定型的なほうが割と珍しい。神経支配が人によって異なるのか、あるいは障害程度や様式が異なるのかは分からないが、教科書通りきれいに麻痺の領域が出てくれれば分かりやすいのだが、そうもいかない。教科書はあくまで教科書で、臨床の入口のことしか書かれていない。

　パソコンでキーパンチを行うと症状が悪化するとのことで、手内在筋のリリースをセルフで行うように指導した。

【治療戦略】
〇肩甲骨位置調整
〇上位頸椎後弯矯正
〇経絡刺鍼（手陽経：三焦経、小腸経、大腸経）

治療前：指先のしびれが気になってしかたない
　↓
治療後（2か月）：ほとんど気にならない

　おそらく触診からではあるが、整形外科ではこの方の首はレントゲンを撮影すると「問題あり」とされるであろう。

　ただ、レントゲンはあくまで形態の問題であって、機能的なものは全く写っていない。

　私の仕事は、体の形態（アライメント）を変えることも仕事の1つではあるが、基本的には「機能的調整」を行うことを主眼としている。

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