
坐骨神経痛でお悩みの方へ

坐骨神経痛と診断された方
お尻や脚に痛みが走れば、誰でも整形外科に受診することでしょう。そこで坐骨神経痛と診断されるかもしれません。

そしてご自身でインターネットをお調べになるかもしれません。ですから、ここでインターネットでよくある坐骨神経痛の説明はいたしません。すでにもうお読みでしょうから。
しかし、まだ一般的な説明をお読みでない方は⇒こちらをクリックしてください。
一般的な「坐骨神経痛」の定義
西洋医学において「坐骨神経痛」と診断されたところで、治る訳ではありません。
〇〇痛という診断名は解決策がその中に入っていない名称です。ただ、神経痛が起こっているという現象、つまり生じている結果を述べているだけなのです。腹痛や頭痛という名称とほぼ同じです。
普通は、なぜ腹痛や頭痛が起こっているのか?と知りたくなりますね。しかし、坐骨神経痛と診断された方は「なぜ神経痛が起こるのか?」を知ろうという方はあまりいないのです。
さて、一般的な原因の分類として・・・
- 脊柱による圧迫(神経が脊柱で圧迫されている、ヘルニアもこれにあたる)
- 梨状筋(お尻にある筋肉により圧迫されている)
- 症状性(なぜ起こっているのか、分からないという意味)
このような分類になっています。これならこれに対応するような治療をしなければよくなりません。
脊柱圧迫説なら、手術を除くと牽引治療をすることが主な治療になりますが、ただ引っ張っているだけではあまり良くなりにくいのも現実です。当院ではプロテックという特殊な治療器を使って治療します。
次に、梨状筋圧迫説に関しては、お尻の深部筋を緩めるのが治療になります。これは手技で行ってもうまくいく場合といかない場合があります。これは、梨状筋だけが関与している訳ではないのです。ですから、手ではなく特殊な治療器が必要です。
最後に、症候性(よく分からないもの)に関しては、湿布や飲み薬でごまかしているのが現状です。しかし、原因があるから異常な状態になるのです。原因がなければ、痛みやしびれが出るはずがありません。
さて、上記の3つに関しても、頭のいい方ならここで気付くはずです。
「なぜ、坐骨神経が圧迫されるようになったのだろうか?」と。
そうなのです。そこまで考えてはじめて原因が分かるのです。

原因に対するなぜ?
本当に治癒するとはどういう状態でしょうか?
本当に再発しないとはどういうことを意味するのでしょうか?
ここに真の原因のヒントが隠されています。普通、ヘルニアや梨状筋が坐骨神経を圧迫したりすると、それがあたかも原因のように感じます。病院などではそう思わされます。こう考えるのは間違いです。なぜヘルニアや梨状筋が坐骨神経を圧迫したのか?と考えることが、原因を見つけ出す第一歩です。

ヘルニアとは、軟骨の変形です。変形が生じるには体の使い方、バランスの悪さなどに原因があります。椎間板の一部に荷重が集中して、椎間板が変形を起こしています。図の中にある赤く膨れた部分がヘルニアです。

さらに、梨状筋が緊張して、硬くなり、坐骨神経を圧迫するのです。なぜ梨状筋が硬くなるのでしょうか? それも生活動作の習慣、骨盤の歪み、そして骨盤を歪ませる原因があります。体が左右のバランスが取れていないので、それを真ん中に戻そうとして、頑張って梨状筋は収縮してしまうのです。図の⇒の先にある黄色いヒモのようなものが坐骨神経です。その周りの筋肉が圧迫するという機序です。
このように、インターネットなどで原因とされているのは、実は結果でしかないのです。圧迫が起こる原因があり、その原因を取り除かなければ本当の治癒は得られないのです。
坐骨神経痛の治療結果が悪いのは、このような本当の原因を取り除いていないからなのです。出てきた症状にとらわれ過ぎて、結局は真の治療になっていない場合、しびれは取れない、痛みは薬でなんとか和らげるということになってしまいます。
当院で見事に坐骨神経痛を克服された方々
何をしても治らなかったのに、今では歩いたり走ったりしています!

腰痛、おしり、ふとももの痛み
長年、立ち仕事をして、肩こり・腰痛を感じていました。
仕事を辞めても治らず悪化して、立つことも座ることも歩くこともつらくて、整形外科に行きましたが異常がなく鍼をしても治りませんでした。こちらの病院はインターネットで知り、家からも近かったので行ってみようと思いました。最初はもう何をしても治らないのでは・・・と思っていましたが、通院して少しず痛みがなくなっていきました。病院は苦手でしたが、こちらの先生方は皆さん優しく親切で、通院も苦でなくなりました。今では、たくさん歩いたり走ったりしています。本当に嬉しいです。ありがとうございました。今度はO脚改善頑張ります。
※当院の施術効果には個人差があります。
足のしびれも歩く時の痛みもなくなり本当にうれしく思っています!

5年程前より右側の腰痛が続き、最近では歩行時に強い痛み、足のしびれが出てきました
年に何度か整形で、投薬、リハビリを受けていましたが、だんだんと痛みが強くなり足のしびれも出てきたので、インターネットで知ったもみの木さんに来ました。初診の時、先生から「原因があるから痛みが出るのです。1つずつ治していきましょう」の言葉に、こちらに通院してみようと思いました。2~3ヶ月の間は痛みが軽くなったり、ぶり返したようになったりで、とても不安がありました。でも4ヶ月目頃からだんだんと楽になってきて、今では少し違和感はありますが、足のしびれも歩く時の痛みもなくなり本当にうれしく思っています。
※当院の施術効果には個人差があります。
当院のエビデンスに基づく施術
当院では科学的な施術をするために、研究論文に基づいて検査、施術、評価を行うようにしています。以下に当院が参照している論文の一部をご紹介します。
Effects of Two Neural Mobilization Techniques in Sciatica: A Comparative Study:坐骨神経痛に対する2つの神経モビライゼーションテクニックの効果:比較研究(2020)
著者: Dr. Swati Parashar, Dr. Madhvi Rai, Dr. Sandeep K Rai, Dr. Monika
掲載元: International Journal of Science and Healthcare Research (IJSHR)
論文の概要:
この論文は、坐骨神経痛患者に対する2つの主要な神経モビライゼーションテクニック(Slump TechniqueとStraight Leg Raise Technique)の効果を比較した研究です。
- 背景: 坐骨神経痛は、坐骨神経の圧迫や刺激によって引き起こされる、腰から下肢にかけての痛みを伴う一般的な症状です。神経モビライゼーションは、神経の可動性を向上させ、痛みを軽減する目的で使用されます。
- 目的: 坐骨神経痛患者の痛みと機能障害の軽減において、SlumpテクニックとStraight Leg Raise(SLR)テクニックのどちらがより効果的かを比較すること。
- 方法:
- 研究デザイン: ランダム化臨床試験
- 参加者: 坐骨神経痛を持つ30名の参加者。
- グループ分け: 参加者は2つのグループ(各15名)に無作為に割り当てられました。両グループとも通常のリハビリテーションを受けました。
- グループA: 通常のリハビリテーションに加えて、Slumpテクニックを実施。
- グループB: 通常のリハビリテーションに加えて、Straight Leg Raise(SLR)テクニックを実施。
- 評価項目:
- 痛みの強度:VAS(Visual Analogue Scale)
- 神経の可動性:SLRテスト
- 機能障害:Oswestry Disability Index (ODI)
- 結果:
- 両方のグループで、痛み、神経可動性、機能障害のすべての評価項目において、有意な改善が認められました。
- しかし、Straight Leg Raise(SLR)テクニックを実施したグループは、Slumpテクニックのグループと比較して、SLRテストの改善が特に優れていました。これは、神経可動性の向上において、SLRテクニックがより効果的であることを示唆しています。
- 結論:
- 両テクニックとも、坐骨神経痛患者の痛み、神経可動性、機能障害の改善に有効です。
- この研究結果から、特に神経の可動性を改善する目的においては、Straight Leg Raise(SLR)テクニックがより効果的である可能性が示唆されました。
Effect of Myofascial Release Techniques on Sciatic Pain: A Randomized Controlled Study
- 関連論文タイトル: "Effects of Myofascial Release Technique on Pain, Range of Motion and Functional Disability in Patients with Piriformis Syndrome"
- 発表年: 2025年
- 掲載誌: The Healer Journal of Physiotherapy and Rehabilitation Sciences
1. 背景と目的 (Background and Objective)
梨状筋症候群は、梨状筋が坐骨神経を圧迫することで、お尻の痛みや坐骨神経痛の症状を引き起こす疾患です。
理学療法は梨状筋症候群の一般的な治療法とされていますが、特に筋膜リリーステクニックの有効性に関する厳密なエビデンスは不足している側面がありました。
この研究の目的は、梨状筋症候群の患者に対して、筋膜リリーステクニックを従来の理学療法と併用した場合と、従来の理学療法のみの場合とを比較し、疼痛、可動域、および機能的障害に対するその効果を評価することです。
2. 研究方法 (Methods)
- 研究デザイン: ランダム化比較試験(Randomized Controlled Study)。これにより、MFRTの治療効果を客観的に評価し、バイアスを最小限に抑えることを目指しています。
- 対象者: 梨状筋症候群と診断された患者が参加しました。
- 介入:
- 介入群: 従来の理学療法に加えて筋膜リリーステクニック(MFRT)を受けました。
- 対照群: 従来の理学療法のみを受けました。
- 評価指標: 以下の指標が、ベースライン(治療前)、6回目セッション後、および12回目セッション後に測定されました。
- 疼痛: 数値疼痛評価尺度(NPRS)
- 可動域: 股関節の外旋および外転(梨状筋の機能に関連する動き)
- 機能的障害: 下肢機能尺度(LEFS: Lower Extremity Functional Scale)
3. 結果 (Results)
- 疼痛の改善: MFRTを併用した介入群では、NPRSスコアにおいて、ベースラインから6回目、12回目セッションにかけて有意な改善が見られました。従来の理学療法単独のグループと比較しても、MFRTを併用したグループの方が、疼痛の軽減においてより効果的であったことが示されました。
- 可動域の改善: 介入群では、股関節の外旋および外転の可動域が有意に増加しました。これは、筋膜の制限が解放されることで、関節の動きがスムーズになったことを示唆しています。
- 機能的障害の改善: LEFSスコアも介入群で有意に改善し、日常生活における機能的活動の制限が軽減されたことが示されました。従来の理学療法単独と比較しても、MFRT併用群の優位性が認められました。
4. 結論 (Conclusion)
この研究は、筋膜リリーステクニックを従来の理学療法と併用することが、梨状筋症候群に起因する坐骨神経痛患者の疼痛を軽減し、可動域を向上させ、機能的障害を減少させる上で、非常に効果的であることを強く示唆しています。
これは、筋膜リリースの導入が、梨状筋症候群の治療プロトコルにおいて重要な役割を果たす可能性を示唆するものです。
この論文は、筋膜リリースが坐骨神経痛、特に梨状筋症候群に関連する症状の改善に貢献するという、新たな強力なエビデンスを提供しています。
非常に新しい研究であり、今後の臨床実践に影響を与える可能性のある重要な知見と言えるでしょう。
Two manual therapy techniques for management of lumbar radiculopathy: a randomized clinical trial
- 著者:Danazumi MS, Bello B, Yakasai AM, Kaka B(2021年発表)
- 雑誌:Journal of Osteopathic Medicine
- 対象:椎間板ヘルニアによる片側性腰部神経根症状(坐骨神経痛)を呈する患者60名
- デザイン:単一盲検のランダム化比較試験(3群・20名ずつ)
- 比較群:
- SMWLM(Spinal Mobilization With Leg Movement)
- PINS(Progressive Inhibition of Neuromuscular Structures)
- SMWLM + PINS(併用群)
- 期間:週2回 × 30分の治療 × 3ヶ月間(計24回)
- 評価タイミング:治療直後、3カ月、6カ月、9カ月のフォローアップ
- 評価指標:
- VAS(Visual Analog Scale:痛み)
- RMDQ(Roland-Morris Disability Questionnaire:障害度)
- SBI(Sciatica Bothersomeness Index:坐骨神経痛の不快感)
- 主な結果
- 3指標すべてにおいて、併用群(SMWLM + PINS)が単独群より有意に改善
- SMWLM単独群はPINS群よりも優れた改善効果を示した
- 改善効果は治療直後から9ヶ月目まで持続
- 臨床的な解釈と意義
- 併用アプローチの優位性
- SMWLM(神経モビライゼーション)とPINS(筋・筋膜の緊張抑制)を組み合わせることで、腰痛・脚の痛み、日常障害や坐骨神経痛の不快感がより効果的に緩和できることが示されました。これは単独施術に比べ、多方面からアプローチする効果が持続性と優位性につながるという証拠になります。
- SMWLM単独でも一定の効果あり
- 除圧による神経への直接的効果が大きく、PINS単独よりも優れているとの結果から、神経へのアプローチが非常に重要であると示唆されます。
- 保存療法における実践的な指針
- 痛みの緩和だけでなく、機能障害(RMDQ)や不快感(SBI)にも長期的効果が確認されており、椎間板ヘルニア由来の神経根症に対して、組み合わせ型徒手療法の導入が有効である可能性が高いです。
- 併用アプローチの優位性
- 臨床実践への応用例
- 施術プランの設計
- 初期にはSMWLMを中心に神経リリースを優先し、症状が安定してきた段階でPINSによる筋・筋膜の調整を追加。
- 結果として、痛み再発防止や機能回復に効果的な治療プログラム設計が可能になります。
- 患者教育・継続施術
- 単なる痛み緩和にとどまらず、神経と筋・筋膜両面から整える治療が望ましい旨を患者様へ説明することで、施術への納得感と継続意欲の向上が期待できます。
- フォローアップ体制の構築
- 本研究では6ヶ月・9ヶ月後まで評価されており、中長期的なフォローアップ計画の重要性が示唆されます。定期的なメンテナンスやセルフケア指導が推奨されます。
- 施術プランの設計
この論文は「徒手療法による保存治療の優位性」を示す良質なエビデンスとして、施術現場における治療戦略構築や患者対応に非常に有用です。
Effects of spinal manipulation or mobilization as an adjunct to neurodynamic mobilization for lumbar disc herniation with radiculopathy: a randomized clinical trial
- 著者:Musa Sani Danazumi 他
- 雑誌:Journal of Manual & Manipulative Therapy(2023年12月号)
- 目的:腰椎椎間板ヘルニアに伴う神経根症状(坐骨神経痛)を持つ慢性患者に対し、ニューロダイナミック法(NM)に加えて、高速度・低振幅の脊椎操体療法(SMT)またはモビライゼーション(MOB)を併用した場合の長期的な效果を比較すること。
研究デザインと対象
- 対象者:慢性椎間板ヘルニア+片側性神経根症状を持つ成人40名(20名ずつに分けて治療群)
- 治療グループ:
- SMT + NM群:高速度・低振幅のマニュアル操作(脊椎マニュピレーション)+神経動的モビライゼーション
- MOB + NM群:Mulligan法による脊椎モビライゼーション+神経動的モビライゼーション
- 治療頻度:週2回 × 12週間(計24回)
- 評価時期:初期・6週間・12週・26週・52週後までフォローアップ
- 評価指標
- 主なアウトカム:
- VAS(痛みの強さ)
- RMDQ(日常生活の障害度)
- その他の指標:
- SBI/SFI(坐骨神経痛による不快感や頻度)
- 動作機能性:TUG(Timed‑Up‑And‑Go)
- QOL(Quality of Life)
- 感覚・反射・筋力評価(神経学的指標)
主な結果
- MOB + NM群はSMT + NM群に比べ、すべての主要アウトカムで有意に優れた改善が見られました(6週〜52週、ほとんどの指標で)。
- 特に活動制限、機能性(TUG)、QOLでは中長期(26週・52週)まで臨床的に意味ある改善が確認されました。
- 感覚・反射・運動機能の改善では、52週時点で有意差が消失した項目もありましたが、全体的な傾向としてMOB群が優位でした。
- 12週時点での改善リスク比(改善している可能性):SMT群に比べ、MOB群は約40%高い(RR=0.6、95%CI=0.4‑0.9、p=0.007)という結果でした。
臨床的解釈と意義
- MOB + NMの併用が最も効果的
神経の滑りを改善しつつ、筋・椎体の柔軟性も確保することで、疼痛・機能・生活の質のすべてで優れた改善が得られました。 - 長期フォローアップの有用性
52週後でも持続して効果がある点は、慢性症例の保存的治療において非常に重要です。 - SMT単独では不十分
SMT(高速度・低振幅の操作療法)は急性期には効果があるものの、慢性例ではMOB併用の方が優位である可能性が示されました。 - 実践的な治療指針
神経動的アプローチ(NM)に加えて、より柔軟で段階的なモビライゼーション(MOB)を中心に置く構成が理にかなっているといえます。
注意点・限界と今後の課題
- 本試験は評価者のみ盲検化され、施術者や患者は非盲検であるため、バイアスの可能性があります。
- 神経学的指標(感覚・反射・筋力)の改善は一部長期評価では有意差がなく、全体にわたる持続的な神経改善は限定的とも言えます。
- 本研究は慢性症例(≥3ヶ月)に限定しており、急性・亜急性期への一般化には慎重な判断が必要です。
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