【改善症例】股関節が悪い? いえ、背骨ですよ ~三田市 | 西宮市 | 神戸市の整体・整骨・鍼灸~
Yさん
60代
女性
久しぶりに当院の治療へいらした。歩いたり、趣味のテニスをしたりすると、お尻や太ももに張り感が出てくる。普通に歩くのも歩きづらい、と訴えていらっしゃった。
股関節の検査を一通りしてみる。特にFadireのROM制限がある。Fabereは臀部に疼痛を訴える。
触診では右の臀部筋群が硬い。とにかく硬い。
さて、おそらくはここまで検査をすると、
「股関節が悪いですね」
となって、お尻を揉んだり、ストレッチをしたり、電気を当てたりするのが一般的だろう。
さて、当院では「なぜそうなっているのか?」を考える。
なぜ痛みが出ているのか?を考えるのではない。そんなものはお尻の筋肉が硬いからだ。
問題は「なぜお尻の筋肉が硬くなるか」だ。
そこで、歩容を見る。すると、上の画像の中にある木製人形のような前かがみ姿勢となっていた。少し歩幅が小さい。
この姿勢の歩き方は「大腿四頭筋の筋力低下」に特徴的な歩き方だ。
骨盤のanterior tiltingを促す筋肉の1つに「大腿四頭筋」がある。この筋肉が弱化すると、骨盤を前に倒す力がなくなる。それの肩代わりとして、上半身を前側に倒す。それで上記のような歩行姿勢になる。
MMTをやってみると、左大腿四頭筋が5、右が4-しかない。
やはり、右大腿四頭筋の筋力低下によるものだ。ここで殿筋が硬くなる理由も分かる。
そこで「大腿四頭筋を鍛えましょう」となるが、そんなことをしたところで無意味だ。スポーツ系の整骨院や整形外科リハに多いのが、すぐに鍛えましょうという処置をする。
この症例でもそうだが、「なぜ筋力低下が起こったのか」を考えないといけない。
大腿四頭筋を支配する神経領域の脊椎を触診すると、硬い!
これだ!
コロナであまり動かなくなり、座っている時間が増えたらしい。そのせいで、腰椎がストレートぎみになり、さらに可動性が低下していた。
得意のモビライゼーションをかけると、すぐにMMTは5になった。モビライゼーション前は歩きづらいと訴えていたが、「すごく歩きやすくなった」に変化した。
今回は
なぜお尻と太ももに張りが出るのか?
殿筋が硬いから。
では、なぜ殿筋が硬くなるのか?
歩き方がおかしいから。
なぜ、歩き方がおかしいのか?
大腿四頭筋の弱化があるから。
なぜ大腿四頭筋が弱化したのか?
腰椎の可動性低下があったから。
このように、なぜを繰り返すことで、真の原因が見えてきた。
訴えがお尻から太ももにかけての張り、歩きづらさだった。
このケースでは股関節が悪いとして扱われるケースがほとんどだ。そして、お尻の筋肉のマッサージ、ストレッチばかりで、いつまでも治らない。
延々とマッサージをして、その時は若干楽になるが、またぶり返す。
こんなことを繰り返して、徐々におかしくなり、本当に治らなくなる。
できれば、ちゃんと原因を追究する治療家に診てもらわないと、人生を棒に振ることになるかもしれない。
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